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政府部門と私的部門の接近 研究誌「会計検査研究」 | 会計検査に関する調査研究 | 外部との交流活動 | 会計検査院 Board of Audit of Japan

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Academic year: 2018

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全文

(1)

政府部門と私的部門の接近

吉 見 宏

(北海道大学大学院経済学研究院教授)

1.

はじめに

国,地方公共団体を典型とする政府部門1)の会計と監査2)は,私的部門のそれとはその性格を大きく異に

するものだと考えられてきた。それは,会計の結果である財務情報の利用者が両者では異なり,結果とし

て作成されるべき情報の内容が異なるとされるからである。端的には,私的部門の会計は,営利企業を中

心とし,すなわち利益計算がその本質であるのに対し,政府部門の組織では利益を生むことをその目的と

しないため3),必要とされる財務情報も異なるということである。

しかしながら,近年の状況は政府部門の会計と監査は,その手続きや作成される情報が近似してきてい

るように思われる。本稿では,それらを概観し,政府部門と私的部門の会計・監査の接近がなぜ生じてき

たのかを検討する。

2.

政府部門による私的部門の会計への接近

政府部門による私的部門の会計への接近は,財政の悪化を背景に,政府部門のマネジメントの改革の中

で現れてきた。

周知のように,これは1970年代のニューヨーク市の財政破綻や,1973年のイギリスのEC加盟のため

にニュージーランドやオーストラリアがイギリスとの特恵関税の優位性を失い,結果として地方政府の財

昭和

36年長崎市生まれ。昭和60年九州大学経済学部卒業,平成2年同博士後期課程単位取得退学,平成3年北海道大学経済学部講師,助教

授を経て,現在,大学院経済学研究院教授。この間,大学院経済学研究科長・経済学部長,副学長を務める。博士(経営学)。専門は公会計論,

監査論で,主な著書に,『監査期待ギャップ論』,『企業不正と監査』,『ケースブック監査論』等がある。会計理論学会会長,日本会計研

究学会評議員・北海道部会長,公認会計士試験委員(監査論),金融庁企業会計審議会臨時委員等を歴任。

1) わが国では,公的部門の会計および監査・検査を論じるとき,その対象には私的部門の非営利組織が含められ,きわめて広範である。本稿で

は,公的部門の中でも国および地方公共団体を典型とする政府部門に限定して論じる。

2) ここにいう政府部門の監査には,会計検査を含めている。以下,特に限定する場合を除いて,政府部門の監査という場合には,会計検査院検

査と地方公共団体における監査を含めたものを指す。

3) 周知のように,政府部門にも企業会計が導入されている部分はあるし,また諸外国にあっては政府部門が資金の積極的運用を行い,利益を生

むことをその目的の1つとしている場合もある。本稿では,政府部門の会計の本質に利益計算があるとは考えておらず,したがって政府部門

(2)

政悪化が表面化したことなどに端を発するといわれる。またわが国においても,地方公共団体を中心とし

て会計改革の必要性が認識され,一部自治体が独自に改革を進めることになるのは1990年代後半に入った

平成9年頃からであって,これにはいわゆるバブル経済の崩壊に伴う地方財政の悪化が背景にある。

ここでの会計改革とは,典型的には複式簿記と発生主義という,私的部門の会計手法の導入として現れ

た。いうまでもなく,複式簿記の特徴は,利益計算ができることにある。また発生主義は,費用認識のタ

イミングを決めるものであって,期間利益計算のために必要だといってよい。

しかし,財政の悪化を契機として,政府部門の会計にこれらの方法の導入が図られたのは,利益計算の

ためではない。複式簿記には,貸借対照表と損益計算書が自動的に作成できるという特徴があったためで

ある。単式簿記であれば,基本的には現金収支に基づく収支計算であるから,貸借対照表ないし財産目録

は,簿記記録からは直ちには導出されない。したがって,貸借対照表上の資産,負債等は簿記システム上

は認識されない。

財政悪化の中で,地方政府が将来の負担義務を含めてどのような負債を抱えているのかを知ることが重

要になり,すなわち負債認識の必要性から複式簿記や発生主義が導入されたとみることができる。そして

結果的には,貸借対照表(バランスシート)が作成され,地方政府が有する財産である資産を金額的に再

認識することも可能になったのである。

3.

私的部門による公的部門の会計への接近

貸借対照表の借方と貸方が何を表しているのかについては,計算構造論において議論のあるところであ

るが,1 つの理解として,貸方は資金の源泉,借方すなわち資産はその資金の運用を示しているというも

のがある。このうち資金の源泉は,会計主体(組織)自身のものである自己資本と,組織外の他者に所有

権があっていずれは返さねばならない他人資本に分けられる。ここで自己資本は,たとえば株式会社の場

合には株主が出資したものであって,したがって株主が会社の所有者となるが,株主にその出資額を返却

する必要は永久にない。すなわち,会社にとっては自己資本となり,利益計算を行う場合には損益を計算

する基準額として機能する。

一般には,他人資本は負債,自己資本は単に「資本」と言い表されてきた。しかし,このうち資本につ

いては,近年は純資産と変更されている。この意味は大きい。「資本」には,先述のように自己資本の意

味があるが,純資産にはそのような意味はない。すなわち,資産から負債を引いた残りを純資産というの

であって,単なる差額を意味する概念にすぎないのである。あるいは,貸借対照表の貸方,言い換えれば

資金の源泉のうち,負債以外のものが純資産であるといってもよい。

これは,そもそも負債と資本の区分があいまいになってきたことに起因する。たとえば,永久劣後債の

発行は,債券の発行による資金調達であるから負債であると考えられるが,一方で債務の返済が永久に劣

後におかれるということは,企業からみれば限りなく自己資本的な性格を持つことになる。事実,銀行の

自己資本規制であるBIS規制上は,永久劣後債は自己資本に参入されて自己資本比率が計算される。

一方で,出資者のいない政府部門の会計においては,そもそも「資本」はない。概念的には国民や住民

が出資者であるという考え方もできるが,実際には個々人が直接に出資したわけではないから,個別の出

資持分を計算することはできないし,当然ながら出資持分に応じた配当があるわけでもない。したがって,

政府部門の貸借対照表には「資本」はそもそも計上し得ず,資産と負債の単なる差額としての純資産が示

(3)

つまり政府部門では,会計的視点からみたときの「所有者」が明確ではないし,その持分も措定が難し

い。一方,利益を分配するためにその所有者を明確化しなければならない私的部門においては,資本主義

の高度化に伴って,会計的視点からみればむしろ組織の所有者が曖昧になっているのである。政府部門に

特徴的な純資産の概念が,私的部門に導入されたという接近は,私的部門の組織の「公共」性が高まって

いることの反映とも捉えられる。

4.

政府部門による私的部門の監査への接近

(1)

会計専門職(公認会計士)の活用

監査人あるいは監査実務への従事者に,公認会計士のような会計専門職があたることは,わが国でも地

方公共団体への外部監査の導入においてみられたことである。また,監査委員事務局が行う監査手続の一

部を監査法人が受嘱することもある。会計専門職による監査ないし保証が,私的部門の組織において発展

してきた歴史を考えれば(吉見,2014),このことは,政府部門による私的部門の監査への接近の例とみ

ることができる。

ただし,このことは,公認会計士の制度の歴史が浅いわが国に特徴的な現象であることは確認しておく

必要がある。

たとえばアメリカでは,州政府等の地方政府や会計検査院が行う監査手続は,契約によって主として地

元の会計事務所に委託されることが多い。この結果,公認会計士は政府部門の監査人とならないとしても,

監査人からの委託を通じて政府部門の監査手続の一助を担うことになる。また,会計検査院においては公

認会計士がその職員となる場合も比較的多くみられる。

そのような諸外国の状況をみれば,政府部門の監査における会計専門職の活用という点では,わが国は

むしろ特殊であったことが理解される。地方公共団体の外部監査においては,監査人として公認会計士だ

けが想定されているわけではないことも,外部監査が会計監査を前提としていないことを示しているとも

いえ,特殊性の1つといえるであろう。また外部監査の対象となる地方公共団体も,都道府県や政令市を

中心とした一部に止まっている。先述の監査委員事務局の事務の委嘱も,ごく一部の例がみられるに過ぎ

ない。

とはいえ,監査委員に常勤委員を含めて公認会計士をあてる例もみられるようになってきており,わが

国においても,総体的には会計専門職を政府部門の監査において活用する方向性にあることが理解される。

(2)

内部統制報告書の作成とその監査

平成29年6月の地方自治法の改正により,地方公共団体に内部統制制度が導入されることになった。当

面の対象は都道府県と政令市であるが,参議院においては議決の際に「内部統制に関する方針が早急に策

定されるよう引き続き検討を行うこと」とした付帯決議がなされており,他の地方公共団体へも内部統制

制度の導入を進めていく方向性が示されている。

地方公共団体に内部統制制度が導入される契機として,平成22年に,会計検査院がすべての都道府県と

政令市において不適正な経理があったと指摘したことがあげられる4)。これは直接的には,平成18年から

4) 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書理等の事態,発生の背景及び再発防止策について」,平成2212月。清水(2013,82頁)。

4)会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書「都道府県及び政令指定都市における国庫補助事業に係る事務費等の不適正な経理処理等の

(4)

19年にかけて,一部の府県において不適正な経理が長年にわたって行われていたことが指摘されたことに

起因する。これにさかのぼること平成8年には,北海道においてカラ出張等によるいわゆる裏金の捻出が

問題となり,その中では,監査委員事務局もその裏金をプールしていた部局の1つとして批判された。同

様の状況は,東京都ほか複数の都府県でも指摘された5)。その後も,一部の同様問題存在してい

ることが明らかとなることがあったが,平成17年以降,宮崎県や千葉県で著名人の知事が相次いで就任し,

その言動の中で自県での「裏金」の存在の有無を問い,その結果,改めて地方公共団体の不適正な経理が

注目されたのである。

これを受けて,参議院決算委員会は,平成19年6月に「平成17年度決算審査措置要求決議」において,

政府が地方公共団体の不適正な経理の指導監督について,適切な措置を講じるべきであるとした。平成22

年の会計検査院による不適正な経理の指摘は,このような経緯の中で行われたものと考えられる。

ここで不適正な経理とは,①「預け」「一括払」「差替」等の不適正な会計処理を伴った,公務に必要

と認められる物品等の購入,②不適正な会計処理を伴った,私的流用および公費購入には不適切な物品等

の購入,③国庫補助金の目的外支出,に大別される。すなわち,いわゆる「裏金」の不正会計から,より

広範に問題を措定し,不正会計ないしは不正経理とは表現せず,不適正な経理として包括したことが理解

される。

これらの問題に対して,監査の側面からの対応が検討されることになる。平成8年~9年の裏金問題に

対しては,地方自治法の改正により新たに外部監査制度が導入された。一方,平成18年~19年の不適正

な経理問題の後には,平成21年6月に,第29次地方制度調査会が,外部監査制度の見直しの提言,監査

委員事務局の複数自治体による共同設置を含む提言を行っている。このうち,現実には後者のみが制度上

実現したが,現状では監査委員事務局の共同設置の例はごく一部に止まっている。

外部監査制度の見直しについては,平成23年1月に,総務省が「地方自治法抜本改正についての考え方」

において,監査委員制度および外部監査制度の抜本的見直しを呈示した。そこでは,①内部統制を整備し

監査委員を廃止し,監査は外部化する,②監査委員を廃止し,新たに内部監査役を設け外部監査人と役割

分担させる,③監査機能の共同化,の3つの案が示されたが,地方公共団体からの反対も大きく,結果と

していずれも制度化には至らなかった。その後平成25年3月には,かねて総務省が設置していた「地方公

共団体の監査制度に関する研究会」が報告書を公表したが,ここでは特に内部統制制度の整備を強調する

ことになった。

以上を俯瞰すると,平成に入ってからの地方公共団体の監査制度の論議は,常に不正および不適切な会

計への対応であったことが理解される。その中では,監査への外部専門家の導入拡大を中心とした制度改

革の議論があったが,結果としては,現状では内部統制の整備に結論が行き着いていることが理解される。

振り返れば,この経緯は私的部門における監査制度改革の動きとほぼ一致している。今般,地方公共団

体に導入される内部統制制度は,私的部門におけるそれをモデルにしたものと考えてよい。そもそも私的

部門の内部統制制度は,平成12年に生じたアメリカのエンロン事件に端を発するものであり,その不正会

計に対するものとして,サーベインス・オックスリー法(SOX法)が成立したことにより導入されたもの

である。わが国でも,西武鉄道事件等を契機に,アメリカでの制度化以降約10年後に導入されて現在に至

っている。すなわち,不正会計を契機に,その防止のためのシステムとして内部統制制度が導入されると

(5)

いう推移は,地方公共団体のそれと民間のそれは一致していることがわかる。これは,政府部門の監査に

よる私的部門の監査への接近と捉えることができる。

ところで,私的部門では,世界的にみれば制度導入後15年を越える時期に来ている内部統制制度である

が,この制度の導入によって不正会計が防止できた,あるいは減少したという明確な証拠はない。もとも

と不正の防止が目的の制度であり,防止された事例を見いだすのは困難であるから,かかるデータが見い

だせないのは致し方ないとも考えられる。しかし,内部統制システムの整備・運用には,そのための証拠,

具体的には多くの文書資料を作成,整理するという,多くの事務作業が新たに必要となる。また,私的部

門において金融商品取引法上,内部統制制度の対象となったのは,投資家保護の観点から,株式公開企業

等の株式会社の一部に限られており,その対象企業の拡大は現状では論じられていない。

ところで,政府部門は典型的な官僚制機構である。官僚制機構では,そもそも各職位,組織の内部的な

牽制機能は一般的な組織よりも機能していると考えられる。もちろんその組織において不正・不適正な会

計が生じたことは念頭に置かれねばならないが,内部統制制度の整備が私的部門で不正会計への対処とし

て有効とされたのは,そもそも私的部門の組織において官僚制的な統治構造に欠ける部分があったことに

起因すると考えられることも考え合わせておく必要がある。

すなわち,今後内部統制制度が地方公共団体に導入されていく際に,あるいはその対象を中小規模の自

治体に拡大しようとする際には,不正会計への政府部門にとっての有効性については,改めて検証される

必要があろう。

5.

私的部門による政府部門の監査への接近

現在,私的部門においては公認会計士監査における監査報告書のクラリティ(透明化)プロジェクトが

進んでいる。ここでクラリティとは何かといえば,端的にいえば,私的部門において標準的であった単文

式の監査報告書を,より長文化して監査報告書に含まれる情報の量を増やそうとするものである。

そもそも単文式報告書には,短く標準化された監査報告書によって,たとえば適正意見でない監査報告

書は多くの報告書と異なることから目を引きやすく,すなわち監査結果が企業間で比較しやすくわかりや

すい,という利点がある。一方で,多くの監査報告書は適正意見の報告書であるから,結果として各企業

の監査報告書は内容としては同じものとなる。その結果,監査報告書はその利用者から,読む価値のない

ものとみなされてしまう。

しかし,監査人がその監査過程において,特に注意をすべき事項等を監査報告書に記載すれば,監査人

が何をしているのか,監査がどのような機能を果たしているのかを監査報告書の利用者に伝達することが

でき,監査報告書それ自体も,より読まれる文書となることが期待される。特に,ここで不正会計につな

がる重要なリスクについての監査人の理解が示されるとすれば,注目されるものとなるであろう。

このプロジェクトは,国際監査基準において導入され,イギリスをはじめとして多くの諸国ですでに導

入されてきているが,わが国においても,平成29年10月から,企業会計審議会監査部会において制度導

入(監査基準等の改訂)の論議が始まったところである。

ところで,政府部門の監査報告書については,会計検査院の決算検査報告にみるように,その多くは長

文式の監査報告書である。単に財務諸表の適正性についての意見を述べるのではなく,具体的な問題点の

指摘を行い,監査結果は広範な内容に及ぶ。その意味では,政府部門の監査報告書はそもそもクラリファ

(6)

もちろん,政府部門と私的部門では監査の目的が異なるのであるから,その監査報告書の様態が異なっ

ていても当然と考えられてきたが,その様態に接近がみられつつあるのである。私的部門における監査報

告書のクラリティプロジェクトは,そもそも監査報告書に何が求められるのかの再検討ともいえるもので

あり,その観点からは,これは私的部門による政府部門の監査報告書への接近であると考えられる。

6.

おわりに

政府部門の会計・監査制度の改革とは,私的部門の制度を導入することであると理解される傾向があり,

そしてそれは事実である。しかしながら本稿でみたように,政府部門と私的部門は,両者がそれぞれにそ

の会計・監査制度を導入し合ってきた歴史を持つことも理解しなければならない。すなわち,政府部門が

私的部門の会計・監査制度を一方的に導入してきたのではなく,私的部門もまた,政府部門の会計・監査

制度を導入してきており,つまり両者の接近は,それぞれの側から行われてきた結果なのである。

このような接近が生じるのはなぜかといえば,社会が政府部門および私的部門に求める財務情報の内容,

そしてそれに対する監査ないし保証の質が,近似してきているためと考えられる。政府部門および私的部

門のそれぞれに属する組織の目的,あるいは社会的な存在意義が,同一の方向を向きつつある時代を迎え

(7)

参考文献

清水雅典(2013)「国及び地方自治体における不適正経理と再発防止への取組-決算検査報告に見る不適正

経理の歴史的変遷-」『立法と調査』第342号,75-89頁。

吉見宏(1999)『企業不正と監査』税務経理協会。

吉見宏(2014)「保証業務としての地方公共団体の監査」,内藤文雄(編著)『監査・保証業務の総合研究』

参照

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